そして今の時代、いじめは表面化しにくい一方で、ひとたび発覚すれば、加害者・被害者双方の情報が一気に広がる可能性を持っています。
SNSやネット上の拡散力により、過去の言動が記録として残り、加害者側にも取り返しのつかない影響が及ぶケースが増えています。だからこそ、生徒の皆さんには、「自分の言葉や行動が、相手にどのような結果をもたらすのか」を想像しながら行動してほしいと思います。
人を傷つける行為は、決して自分にとっても無関係ではいられないのだということを、私たちは丁寧に伝えていかなければなりません。
先生方には、いじめの兆候を感じた際には、「様子を見る」のではなく、迷わず行動していただきたいと願っています。
たとえ結果的に空振りになったとしても、早めの対応が深刻な事態の防止につながります。
また、一部の生徒への肩入れや、偏った接し方は、他の子どもたちの信頼感を損なう原因ともなり得ます。
保護者の皆様には、ご家庭での会話の中で、他の生徒やその保護者に対する否定的な話題をできるだけ控えていただければと思います。
子どもは親の言葉に敏感であり、家庭で耳にした言葉をそのまま受け取り、影響を受けます。
私たち大人の発言が、子どもたちの価値観や人間関係の築き方に与える影響は決して小さくありません。
いじめをなくすために必要なのは、特別な制度や対策よりも、私たち一人ひとりの姿勢と、日々の小さな心がけだと考えています。
子どもたちが安心して学び、のびのびと自分らしく成長していける環境を築くために、まずは私たち大人が手本を示すことが大切です。
この一年が、いじめに正面から向き合い、子どもたちが互いを思いやる力を育てる一歩となるよう、引き続き皆様のご理解とご協力を心よりお願い申し上げます。
2025 八代高校・八代中学校 PTA会長 塚本愼一郎