8月22日(木)・23日(金)、ロームシアター京都をメイン会場に「第69回全国高等学校PTA連合会大会京都大会」が、全国から10,000人程の教職員と保護者が集まり、『Kyoから!未来を拓く~受け継ぎ、創る新たなストーリー』をテーマに、子供達の未来や今後のPTA活動を創り上げるきっかけとなる目的で開催されました。
1日目、私たちは、第1分科会『〈よくできる〉とはどういうことか?-大学は、自分の可能性を見つける場である』に参加しました。
講師には、京都産業大学総合生命科学部教授で京都大学名誉教授の永田和弘様をお招きしての基調講演でした。
永田和弘様
〈よくできる〉とは?「問題に答える能力」。高校までは答えが1つになる教えの「学習」、大学では如何に問うことができるかの「学問(学んで、問いなおす)」である。そして、答えが1つである問題は社会には存在しないことを教える場である。社会へ出たら誰も正解を知らないので、自分自身で想定外の対処を考えなければならない。そのためにも「学問」する能力を身に着けてほしい、と。だから大学では「何がまだわかっていないのか」を教えるので、知識が学問につながるためにも、高校までに「驚きと感動」をたくさん経験してきてほしい。そして、教えられたことは、果たして正しいのかと疑ってみて、自分でも問いなおすことをしてほしい、とのことでした。
保護者に対しては、親が本気で子供に相談することも大切で、自分の考えを導き出せるようにする。そして、親は褒め上手でなければならない。ほめ方1つで生徒の「やる気」を作り出します。ということでした。
2日目、全体会では、日本電産㈱代表取締役会長(CEO)で京都先端科学大学理事長の永守重信様をお招きし、「学校教育・家庭教育に思うこと」と題し、記念講演がありました。オープニングアトラクションでは京都府立鳥羽高等学校披講研究部の生徒による「披講(和歌を節をつけて詠み上げる)」の披露があり、京都ならでは・・・を堪能しました。
披講の様子
永守会長は、高校卒業後、ご家庭の都合で大学に行けず、28歳の時に自宅にて従業員3名の日本電産㈱を設立、社長に就任。精密小型から超大型までのあらゆるモータとその周辺機器を網羅する「世界No.1の総合モーターメーカー」育て上げており、「情熱」「熱意」「執念」をもって、常に前向きで積極的な考え方で注目されています。会社に採用するときは「大学ブランドと偏差値の高さは関係ない」と大学では、就職する際に必要な礼儀作法や人間関係の確立、グローバルな人材を育てるための英語力等を教えないので、「一流大学にいても偏差値が高くても、企業では役に立たない学生が多い」とのこと。そこで、卒業後すぐに即戦力となれる学生を育てたいと、昨年3月に京都先端科学大学等を運営する学校法人永守学園理事長に就任され、ブランド主義と偏差値教育に偏った日本の大学教育の変革とグローバルに通用する即戦力人材の輩出に情熱を燃やされていました。
最後に、企業は、向上心・挑戦心(+人間力と礼儀作法)をもった学生を欲しがっているので、今のうちから「理想を持ち、夢実現に向けて生きてほしい。」と。生涯の仕事を偏差値で決めず、理想を掲げて挑戦できるように、ご家庭でも進路指導をしてほしい、とのことでした。