本校の「探究(総合的な探究の時間)では、「国際社会の多様性を理解する人権感覚を身に付け、他者とのコミュニケーションを円滑に維持しながら、協働的、発展的に物事を遂行することができるようになる」ことを目標に年間計画に基づいて様々な取り組みを行っています。高校1年「探究」の取組みを紹介します。
今回の探究では、“地域の大人の本気に触れる”をモットーに、SDGsの達成を目指して働いておられる地域の方々からお話を聴くという講座を開きました。
開講した講座は以下の通りです。
① JICAデスク熊本 国際協力推進員 尾上香織さん「JICA海外協力隊と国際協力」
② 熊本県県南広域本部農林水産部林務課 鳥居真臣さん「シカによる森林被害対策を通じたSDGsの推進!」
③ 次世代のためにがんばろ会 松浦ゆかりさん「官・民・学・産協同による「八代海干潟保全:青少年育成活動」」
④ 日本製紙株式会社八代工場 前田和也さん「木とともに未来を拓く」
⑤ 八代市 総務企画部企画政策課 土田英雄さん「「第2期八代市人口ビジョン」及び「第2期八代市まち・ひと・しごと総合戦略」について」
⑥ 熊本県立大学総合管理学部教授 宮園博光さん「地域から世界へ―地域資源を活用した商品開発を通して―」
⑦ 認定NPO法人「とら太の会」 山下順子さん「地域の中での共生」
⑧ やつしろぷれす 江崎博美さん「八代の誇れるもの(人・場所)を探して記事にしよう」
⑨ トマリエ農園 岡田健志郎さん「仕事の流儀」
⑩ ユニクロ 松田郁絵さん 富永知美さん「“届けよう・服のチカラ”」
⑪ 図書館の資料を読む講座
生徒たちは、この中から2つの講座を受講し、たくさんのお話をお聴きしました。
【生徒たちの感想】
①「JICA海外協力隊と国際協力」
「(勉強になったことは?)自分の得意なことをJICA海外協力隊で生かすことができる。“恩返し”のために国際協力を行う。人々の生活が“幸せ”であることが大切。」
「(自分にできることは?)自分にはまだ参加することはできないけれど、海外のこと(文化など)を学び、海外のことをもっと知りたいと思いました。小さなことでもいいので、海外に携わりたいです。」
②「シカによる森林被害対策を通じたSDGsの推進!」
「(勉強になったことは?)シカと環境のバランスがとれていないと大変なんだと分かった。何事にもアランスが大事だと思った。シカと環境、どちらも大事なので、難しい話だと思った。」
「(自分にできることは?)身近なところから、環境をよくしていきたいと思った。」
③「官・民・学・産協同による「八代海干潟保全:青少年育成活動」」
「(勉強になったことは?)かなりショッキングな内容の動画を見て、現実は自分が思っているより酷いことを学びました。」
「(自分にできることは?)八代市である本当に行きたい体験型プログラムがあるので、できればみんなで行きたいです。」
④「木とともに未来を拓く」
↑ 終了後に早速質問に行った生徒も!
「(勉強になったことは?)紙が、今生きている上で、欠かせないものなのだと知った。持続可能な社会のために、どんな活動をされているのか知った。」
「(自分にできることは?)3倍巻のトイレットペーパーや紙ストローを使うように心掛けることや、リサイクルに参加することができると感じた。」
⑤「「第2期八代市人口ビジョン」及び「第2期八代市まち・ひと・しごと総合戦略」について」
「(勉強になったことは?)人口減少は今、日本全体でも問題になっているから知ってはいたけれど、八代市の現状やそれに対する取り組みについては知らないことばかりで驚いた。」
「(自分にできることは?)地元のいいところをSNSで発信したり、充実したまちづくりへの協力!」
⑥「地域から世界へ―地域資源を活用した商品開発を通して―」
↑ 卒業生も駆けつけてくれました!
「(勉強になったことは?)今まで八代といったら、トマトとい草しか特産品といっても思いつかなかったけれど、生姜がなんと生産量全国2位だと知って、びっくりした。また、物を売るときには、高付加価値が大事だと始めて知った。」
「(自分にできることは?)自分も八代の農作物を使って何か作りたいと思った。」
⑦「地域の中での共生」
「(勉強になったことは?)障がいがあってもなくても、みんなが一緒に暮らしていけるみんなが幸せになれる社会を作っていかなければならないと学びました。やる気があれば誰でも始めることができると思いました。」
「(自分にできることは?)福祉に興味があるため、とら太の会についてもっと知りたいです。スケールの大きいことはできないけれど、どうすれば共生を目指せるのか考える必要があると感じました。」
⑧「八代の誇れるもの(人・場所)を探して記事にしよう」
↑ 自分たちで誌面を作ってみました!
「(勉強になったことは?)なんとなく読んでいたが、しっかりと工夫がされていたことを知って驚きました。たくさんの人に伝えたいという熱い思いが原動力となっていて、何か成し遂げたいという思いは大切だと思いました。」
「(自分にできることは?)八代の良いところをもっと見つけて、住んでいるところに誇りを持てるようにしたい!」
⑨「仕事の流儀」
「(勉強になったことは?)農業もSDGsの観点から仕事のやり方や販売方法を考えることで、経済も社会もより良くすることができるということが分かりました。」
「(自分にできることは?)食品ロスが年々増えていることで、SDGs2の目標達成に近付ける。野菜でも何でも、生産している人々の気持ちを考えて、食品ロスを減らしていきたい。」
⑩「“届けよう・服のチカラ”」
「(勉強になったことは?)使う側にも責任があると分かった。今まで何も考えず、自分の好きな物を買っていたが、環境などに配慮された物も選ぶようにしようと思った。」
「(自分にできることは?)着なくなった服を捨てたり保管したりするのではなく、本当に必要な人に譲っていきたいと思った。」
⑪図書館の資料を読む講座
「(勉強になったことは?)パレスチナの現状を知る本を読んで…色んな勉強をしていく中で、勉強が嫌になったりすることもあるけれど、自分たちが勉強できること自体が幸せなことだと思いました。恵まれない人たちにも募金などを行い、少しでも解決に繋がればいいなと思いました。」
「(自分にできることは?)募金などを行う。いじめなども一人一人を傷つけ合うから、いじめに関してはいつも思いやりの心を持ち、ダメだと思ったらダメだと言える勇気を持っていきたい。」
「地域の大人の本気に触れて社会への関心や課題意識、知的好奇心を高め、自らの視野を広げる」ことを目的として開講した今回の課題発見ライブラリーを通して、生徒たちの視野がまた広がりました。